Ssendam

老衰とは残酷なものである。いかに本人が叡智に満ち溢れていようとも、活力さえ足枷として、いかなる者の抗いも許さない。それでも、若々しい生命に惑わされる者は少なくない。権力に溺れたものであればなおさら、自らの死期を悟るとともに、生きることへの欲望が強くなるのも、彼らにしてみれば世の常であろうか。センダムもそうした生への固執が生み出した怪物である。かつて、とある王国の王が老衰を免れようと魔術にすがった。自らの脳を強靭な肉体に移し替えることで、生き長らえようとしたのである。ところが、魔術は失敗し、王はおぞましい怪物の姿となった。その怪物の、そして王の名こそセンダムであった。
怪物となったセンダムは純粋に、ただひたすら知識を求めているのだという。人を襲い、喰らうことすら、彼らにとっては、単に知識を吸収するための手段にすぎない。そうしてある程度知識がたまると、アメーバの如く細胞分裂を繰り返し新たな身体を生成する。しかし脳まではそうしたプロセスを行うことができないため、犠牲者の脳を核として、その知識をコピーするのである。だが、そうまでして彼らは溜め込んだ知識を彼らはどうするのであろうか。否、最初に言った通り、彼らは純粋に知識を”求めているだけ”なのだ。使われることなく、ひたすらに貯めこまれる知識、その無限の欲求が彼らの生きる意味なのである。今となっては、失われた太古の魔法や、古代文明の知識など、あらゆる情報が貯めこまれていると言われており、それを狙う者たちが後を絶たない。だが、果たしてその知識をどうやって取り出したものか。

 

—解説————

触手系のモンスターの中ではポップな色合いが可愛いセンダム。AD&D に出てくるスラード族、狂気の女王スセンダムが元ネタ。スラードに関しては Wikipedia の記載がわかりやすいので引用すると以下の通り。

混沌の地・リンボを故郷とするスラードは、彼の地に相応しい、目につく相手の体内に卵を産みつけて繁殖する無秩序・エントロピーの申し子であり、多種多様な個体がいる。
スラードは世を混沌に導くという漠たる目的のために活動しており、そのために故郷であるリンボはおろか、物質界や他の次元界に出没しては無軌道な破壊を繰り広げる。彼らの思考は秩序や摂理、制限といったものへの嫌悪と破壊願望がある以外は到底理解し難く、知能なきスラードは本能的に、一部の知能あるスラードは意図的に暴れ回る。純然たる混沌の申し子たるスラードの属性は“混沌にして中立”であり、あまりに無軌道な性質ゆえに軍隊的な統率による組織的な行動を取ることはない。
“寄生する混沌”という異名を持つスラードは、襲撃したあらゆる生物に“胚”と呼ばれる卵を植え付ける。寄生された者は病気(“寄生する混沌”の異名は病名としても用いられる)と同じ扱いとして、セーヴィング・スローによる抵抗を求められる。寄生が進行する(卵が孵化する)につれ寄生者は狂気に陥り、最後は孵化した幼生が寄生者の頭蓋骨を破って誕生し、寄生者は死亡する。病気を癒す呪文(第3版における「リムーヴ・ディジーズ」の呪文など)には卵を除去する力がある。通常、卵が植え付けられてから孵化するまでは1週間ほどかかり、最後の12時間はひどい嘔吐感に襲われる。
スラードは出会った者を襲撃する以外にも、傷つき倒れた者が多くいる場所に出没して繁殖を行うこともする。デヴィルとデーモンがアビスにて繰り広げている“流血戦争”の戦場はスラードにとって格好の産卵場となっている。

どうだろう、このクドゥルフ神話にも似た圧倒的SAN値ピンチ感。想像するに、人間は見ただけで狂気に取りつかれるタイプの奴だと思う。見えてるのに脳が認識できず、なかったことにできる人間だけが生き残れるに違いない。ところがいざスセンダムの話になると、少し正気が見えてくる。以下も同wikipedia ページより引用。

“狂気の女王”スセンダムは最古にして最強のスラード女王である。
スセンダムは黄金色の脳を浮かべた巨大なアメーバの姿をしており、触手のような腕が伸びている。すでに生きた混沌の塊と化したのか、彼女に知性らしきものは存在せず、出会った者をすべて飲み込むのみである。彼女はリンボを離れることはないが、招来に応じた時には黒い剣を持った戦士の姿を取る。

アメーバからわざわざ戦士の姿に変身するなんて、なんと普通の人でも思いつきそうな行動!拍子抜けである。まあ何にせよ、人間が簡単に戦っちゃいけない輩なのは間違いないです。そんな何匹も何グループも出て来たら世界が終わっちゃいかねない。

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