Gulsys

通称キングドラゴンの名の通り、彼の者がドラゴンスレイヤー伝説の中で最悪の存在であることは疑いようがない。それは、ガルシスが元々ガルシウスと呼ばれる神々の一人であった事を知れば誰もが納得する事だろう。 神々の世界は一人の神によって統べられている。創世の時代、ガルシスはその座を狙い反乱を起こしたと言われており 彼の野望のもとに多くの妖精、ドラゴン、天使たちが集まり、大きな戦いが起こった。戦いは神々の勝利に終わり、反逆者たちは次々とカオスの一部である暗黒界に落とされ、ガルシスだけは暗黒の宇宙に幽閉された。ところが暗黒の宇宙はカオスの流れの中心であったが為に何万年という時間の中でガルシスはそれを充分に吸収し、ついには監獄から抜け出したのである。ところで、ザナドゥ第一王朝・初代国王クーブラ・カーンがザナドゥとしてこの土地を選んだのには理由があった。カオスからその本質たる創世力の流れが我々の住むいわゆる見える世界を抜け天上界に辿るにあたり、ザナドゥはその流れが集中する場所であったのである。また、第六王朝時代には大魔術師Ol-DreakeによってDeathの魔法が編み出された。この魔法は単純かつ絶大な破壊力を持つ代わりに時空に歪みを生じさせるという重大な問題があった。ガルシスはこの歪みとして、第十三王朝・シュリデン王の時代にザナドゥに現れたとされている。ガルシスにとってはザナドゥに顕現したことにあまり意図はなく、つまるところ、真の目的である神々への復讐のための通り道に、たまたまザナドゥが存在していたにすぎないのである。ちなみに、ガルシスの幽閉には諸説あり、元々闇の世界の住人であったガルシスが、竜の姿となって神々の城の周囲を飛び回ったがために、雷に打たれて逃げ延びた逸話が誇張されただけとも言われている。

第十九王朝時代においてガルシスは一旦、ドラゴンスレイヤーを持つ勇者によって倒される。しかし、第二十一王朝時代へと時が流れても、暗黒界の力は衰えるばかりか強まる一方であった。またこの頃ザナドゥでは妙な噂が囁かれていた。第一王朝時代の古文書に「ドラゴンスレイヤーには本物と模造品の二本があった」と記されていたのである。この噂が広まる頃には、ガルシスを倒した剣が模造品で、ガルシスは未だ健在なのではという新たな噂が広まっていた。そして、実際ガルシスは生きていた。復活後のガルシスは実に慎重であり、闇の世界で持てる全ての力をこちらの世界に実体化し シリューガの三つ星の力をも内に取り込もうとしていた。しかしながら、結局のところそれが原因で再生が遅れ、再びドラゴンスレイヤーの前に敗れる事になる。

そして、再び人々がガルシスの名を耳にすることとなるのは、五百年の後である。もっとも、もはや数多の時代の流れは、その歴史を正しく伝えるにもままならず、多くの謎を矛盾の霧に隠したまま、ガルシス復活は、古き姉妹の悲哀と、最後の騎士たる青年の物語として紡がれることとなる。此度のガルシスは歴史の表舞台に立つことなく、ドラゴンスレイヤーの前に、ひっそりと再びの封印を享受せざるを得なかった。

表舞台に立つことはなくとも、ガルシスはその後も幾度と無く復活と封印を繰り返し、終わることのない永劫輪廻の戦いを運命せしめられる。だが暗黒の十三神が一柱たるは伊達にあらず。理さえもその手の内に掴み、果てることない運命の輪を転がり続けるのだ。それはもはや時代のみならず、かのドラゴンスレイヤー同様に次元を超越した物語であり、人がその行末を論理を持って語ることはできぬであろう。

 

—[解説]—————-
第一作目の『Xanadu』では、ガルシスは真紅の竜の姿をして現れますが、これは物質界での仮の姿にすぎません。おそらくは物質界に存在する最強の肉体として、巨人・獣人の時代よりも以前に世界の支配者として君臨していた古代竜のそれを模したものだと思われます。

第二作目の『Xanadu SinarioⅡ』では、ガルシスは骨だけの姿で現れます。偽のドラゴンスレイヤーに関しては、明確な提示がなされた資料はなく、真偽の程は定かではないものの、曲がりなりにも神であった者をここまでの姿に追い込んだそれは、おそらくは本物だったのでしょう。むしろドラゴンスレイヤー自身が、その意思でガルシスにトドメを刺さなかっただけなのではないでしょうか。

五百年後、『Xanadu Next』の世界では、ガルシスは先の戦いで密かに封印されたことになっています。ですがそこに至る物語は、それまでの伝承と矛盾しており、もはや、同じ世界の物語であるのかも怪しいものですが、それについてはまた別の機会にお話ししましょう。

さらに”その後”と表現された『イースvs空の軌跡』では、復活と封印を繰り返すガルシスの姿が描かれます。ですが、その言動は物質界に固執しており、かつて神の一人であったとは思えぬ、下世話な存在へと堕ちています。それでも世界の法則(理)をねじ曲げるほどの強大な力はやはりキングドラゴンたる力と言えるでしょう。そこに存在すること自体、リーゼロット、フローレット姉妹による不死鳥の封印さえも彼の者には通用しなかったことの表れでもあるわけです。あるいは、平行世界における一なる他者の物語であったのかもしれませんが、どちらにせよ、そう容易くその輪廻が終わることはなさそうです。

レリクスシリーズの一端とされる『RINNE』にもガルシスはゲスト出演していますが、もはや同じ次元のガルシスなのかすら真意のほどは判りません。

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